今回セオ・パリッシュを聴くのは4回目です。
4年前、初めてイエローで聴いた時のplayが凄くて彼の名前を覚えていてその後は来日の度に行ってた。
最初聴いた時の彼のplayは、イエローならではの夜のDJがお昼前までplay し続けているアフターアワーズの時間帯だったのだけど、BPMは本当に遅くて、しかも時に大きな間があったりして、本当にdeeeeeeeeep なfunkで低音がうねっていて、それで踊らされてしまう。良すぎてやばい感じだった。セオは後ろにのけぞってひっくり返りそうなんだけど、でもレコードを繋ぐ時はピッチはきれいに合って正確で、プロだなあと思った。
私はああいう本物のdeep なfunkで、はまって踊るのは初めてだったし、その後もなかなかそういう機会は無いです。
その時は最後までいて、同じく最後までいた知らない子と出口で自然に、やばかったね〜、良かったね〜と共感し合いながら途中まで一緒に帰ったのでした。
2度目行った時も良かった。凄くfunkyで自由に踊れた。その時もYellowのフロアは一杯だったのだけれど、踊りだすと適度なスペースができて、混んでいるのに不思議なくらい人が全くぶつかって来なかった。ほんとに居心地のいいフロアで、存分に踊って満足だったのを覚えている。
私は間のあるfunkyなグルーブで踊るのが実は凄く好きです。BPMは120,130ぐらいかも。かなり遅くてもそれはそれでいいのです。
3度目は、朝遅めの時間に行ったのだけど、割と歌ものを多くかけていたような、、でも友達とよく飲んでほとんど覚えてない状態。。
で、今回、イエローのスケジュールでテオの名前を見た時には即行こうと決めてました。イエローで聴けるのは最後だから。
今回のplay スタイルは前とだいぶ変わってたように思う。funk をずっと繋ぐのでなく、様々なものを織物のように交互に混ぜ込んでいく感じだった。
行ってよかったと思った。その選曲で、おそらく滅多に出来ない経験が出来たと思う。
ジャズ、ファンク、それもバンドの演奏のもので、アナログレコードを使い、ミキサーはウーレイ、それをイエローで聴けたのだから。あんな音を聴けるのは文字通り最初で最後です。
一人で行った。たっぷり踊ろうと思ってた割には終電を逃し、2時半頃イエローに着いたら、ラウンジまですんごい人で、入ったとたん湿気で汗がどーっと出た。
でも、すごくあったまった空気や、いろんな人が醸し出してる独特の雰囲気があって、あぁこれがクラブだなぁ、イエローっていいなぁと思った。
中二階の手すりから見るフロアはほぼ10年前と全く同じで、その頃の自分を思い出した。クラブに行き始めた頃。回りにクラブに行く友達はいなかったので一人で行き、djとトラック制作を始めたクラブ友達が一人できた頃。
回り階段の所で、外人に頭をくしゃくしゃ子供扱いされる感じでなでられて嫌がってた自分とか思い出した。凄い時間の隔たりがあるのに、フロアも手すりも階段も何もかも変わってなくて不思議な感じがした。
そんな感慨に耽っていましたが、、それはフロアに入るまでのこと。
人で一杯のフロアのスペースのありそうな所に入ってみるのだが、混んでる上に人がよく動いて踊るので人と触れたり軽くぶつかったりが続くと、も〜も〜無理で退散。で、上からフロアを見たり聴いたりしてて、やっぱりいいので踊りたく、フロアの人ごみにトライするも、また退散。を数回繰り返す。踊れなくて欲求不満。
5時になっても人は引かない。6時過ぎてから私的にはかろうじて踊れるスペースができたように思う。
それにしてもあの人ごみで踊り続けている皆さん元気というか慣れているのでしょうか。タフよね。というか踊って楽しくなってて気にならないのかな。
でも狭いスペースで同じ動きをずーっと続けているよりは、自由に体が動かせる状態で前後左右ちょっと動けるくらいのスペースで踊る方が絶対いい。自分にはそのくらいのスペースが必要です。同じ横揺れでずーっと踊るのはどうもいまひとつです。
さて、昨日のセオ・パリッシュはジャズを多くかけていた。それもフリージャズ。コード進行や拍子の規則にとらわれないジャズ。例えば、5拍子の曲があった。あるいは一部7拍子の曲とか。変速的だなと思い数えてみたら5拍子でなかなか面白かった。気付かずに踊ってると変だけど、5拍子と分かるとそれで踊るのもなかなかおもしろいものです。てか、フロアでこんなものがかかるとは!、私はフリージャズをフロアで聴くのは初めてです。
そうだ、パットメセニーのためにステーヴライヒが創った曲Electric Counterpoint がかかって感激だった。驚いた。メセニーの弾くギターのミニマルなモティーフが絡み合う美しい曲です。
これにセオはキックをミックスし踊れるようにしていた。ここでこれが聴けるなんて、ほんとに驚き、嬉しかった。
ドラムンもかけてた、レゲエもあった、vocalの入るdeep house もあり、バンドが演奏しているファンクにフリージャズ、おそらく70年代のレアグルーヴ、打ち込みのシンプルなテクノ等々、こういうものを唐突に繋ぐのだけど支離滅裂にならず聴けてしまう踊れてしまうのは彼ならではなのだろう。
アシッドハウス1曲だけかけてた。909のキックに303だけがミンミン、ミョンミョン鳴っている、アシッドハウス創始期のものと思われるプリミティブな作りのもので、しつこーく303が鳴っているんだけどその音が好きなので面白く聴ける。また、フロアに響く303の音を聴いてあの小さな楽器の出す音の鳴りの良さ、日本の誇るローランド303のすばらしさを感じた。日本人としてこの楽器にはいつも誇りを感じる。
こういうある意味ミニマルループ的な曲やストイックな曲の後に、セオはdeepなfunkやきれいな歌ものをスコンと繋いだりして全く別の展開になるのですがそれがなかなか良かったです。
それに自分の知らない70年代のクラブやダンスホールの音はきっとこんなだったのかな、そういう時代の人が踊ってたのと同じ音を聴いているんだろうと思ったりした。
朝7時くらいになると、他のクラブの仕事が上がったスタッフや、友達が来ていて、飲んだり話したり。ハードテクノやってる私がいるのが意外で、でも良いねと言われた。自分は去年からテクノのパーティにはほとんど行ってないのです。
お昼12時頃になっても、セオは終わる気配もなく、また、いる人達も帰る気配もなかった。
BPM はすごく遅く、ゆっくり踊り続ける感じで、フロアの人は思い思いいつまでも楽しんでる感じだった。そのまま日曜のゆったりした午後が続いていくような。
混んでなく、赤いライトがスモークで煙ってるイエローのフロアもいい。イエローってフロアに人が少なくても寒い感じがしない。ライティングもいいんでしょう。音が暖かいし。
体力もつきて来たので、そんな風景を見て、2年くらい前に遊んだ平日の人の少ないイエローもよかったな、なんて思いつつ、フロアを後にした。
セオでなければ聴けないものを沢山聴かせてもらったと思う。
彼がかけると、時々、シンプルだけどある音が意志があるかのように響いてくることがあります。
mixは荒かったりフェイドイン、フェイドアウトが続いていたのだけど、一つ一つの曲を力強く聴かせる。
ビートの無い長いイントロから、スネアの音が出て来た時なんか強烈だった。音一つ、スネアの連続なんだけど強烈でジーンときた。
そして、アナログレコードとウーレイ、イエローのPA、セオの選曲、あんな音はきっともう聴く機会はないだろう。
6月21日でイエローは閉店します。
(ビルが立替えられそこにクラブは作らないとのこと)閉店前にイエローを愛する多くのDJが海外からplayしに来、最後ならではの良いパーティが開催されます。
イエローの唯一無二の、あの暖かく、しかも音圧が充分で体に響く、イエローにしかない特別なクラブの音を是非聴きに行かれる事をお勧めします。
私もまだ行きたいパーティがあります。こういう時だからこそ実現されるパーティがあるんです。それについてもまた書きたいです。
音についてもう一つ。
音圧を体感したり、ウーハーからよく出る風のようなものを感じる事はよくあるけど、イエローのフロアの場所によって、音の波が皮膚に小さな振動で伝わってくる時がある。
いつもじゃなく時々、あ、きた、って皮膚に感じる音の波がありますよ。私は手の甲によく感じる。腕も出しておいた方がいい。
自分はこれを感じるのは今の所イエローでだけです。というかイエローで気付いたのかな。他でもあるのかな。。